イチロヲ

続・荒野の1ドル銀貨のイチロヲのレビュー・感想・評価

続・荒野の1ドル銀貨(1965年製作の映画)
4.0
帰郷した元北軍大尉(ジュリアーノ・ジェンマ)が、砂金の採掘を目的とした独裁組織により、町が窮地に立たされていることを知らされる。南北戦争の終結直後を舞台にしている、マカロニ・ウエスタン(イタリア製西部劇)。続編ではなく、単独の作品。

戦争が終わって、やっと帰郷できたかと思いきや、町が知らない人に乗っ取られて、愛妻も取られていたという、最悪かつ最高の状態から物語が始まる。いわゆる「闇に葬られた人間のリベンジ劇」であり、別人に変装した主人公の暗躍に主眼が置かれている。

「荒野の1ドル銀貨」では髭を剃っただけで変装していたが、今作ではきちんとメキシコ人の風貌に変化する(それでも容姿的に無理がある)。可視化した幽霊のようになりながら、妻との感動的な再会を果たすのだが、それでも元の生活に戻れないもどかしさ。

主人公の味方になってくれる分厚い眼鏡の花屋さんや、髪型がまったく乱れないポマードべったりの悪役など、登場人物のキャラが立っている。そして、主人公だけではなく、町人たちが個々の立場から手分けして報復に出る展開が熱い。
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