b

テルマ&ルイーズのbのレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)
4.8
かっこいいヒロインの代表格と言えばグロリアだと思う。主役のテルマ&ルイーズはグロリア張りにかっこいい。つまりこの映画には、グロリアが二人居ると思ってもらっていいです。本当にこの二人が素晴らし過ぎる。2週間ほど前に観た映画ですが、未だに彼女たちの姿が頭から離れません。

【あらすじ】
テルマとルイーズは日常からの解放を求め旅に出ることに。その旅先でバーに立ち寄るのだが、そこでテルマ(パケ写でグラサン掛けてる方)が店員の男に強姦されそうになり、それを見たルイーズは思わず持っていた銃でその男を射殺してしまう。
それにより彼女達の逃避行が始まる。

『男の抱く都合の良い女性像からの逃亡であり、社会的な抑圧からの解放を求める旅。』
ルイーズは最初からハードボイルドで鬼カッコいいキャラだが、テルマは最初はおっちょこちょいだったり弱々しく頼りないキャラクターだった。しかし旅をするにつれ徐々に逞しくなっていく姿が痛快。

〈テルマとルイーズの対比〉
テルマは化粧をしてブラピを落とそうとしたり女性性を積極的に背負うキャラクター、一方ルイーズは過去に色々ありそれを頑なに拒んでいる様だった。それを象徴するシーンとしてルイーズは一度塗ろうとした口紅を塗らずに投げ捨てていた。
〈ハル警部の存在〉
逃避行の最中色々あり、犯罪行為を繰り返してしまうテルマとルイーズ。警察は二人を逮捕する事に躍起になっていた。そんな中ハーヴェイ・カイテル演じるハル警部だけは彼女達に理解を示し、彼女達を何とか救えないか模索する。彼の存在がこの映画に奥深さを与えている。

銃を男性性(男性的権威)のメタファーとして見るとまた面白かったです。
そう考えるとテルマ&ルイーズが銃で男尊女卑社会に反撃しだすのは必然的に思える。また途中警官がテルマ&ルイーズに銃を奪われた途端に泣き言を言い出したのは笑える。そして最後まで銃を振りかざさなかった警察はハル警部だけだった。男根至上主義は総じてクソです。そんな奴らは去勢するか絶滅してください!

追記:それまで映画史的に見ても西部劇やイーストウッドの映画みたいに男が拳銃を振りかざす事はあれど、女性が拳銃を持たされることは(極端に)少なかったわけで映画での復讐でもあるし、映画に於ける復讐でもあるんだなぁと目頭が熱くなる。
    
メリーバッドエンドのラストも最高かよっ!!文句の付けようの無いリドリー・スコット最高傑作。
b

b