LalaーMukuーMerry

テルマ&ルイーズのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)
4.6
「明日に向かって撃て」、「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」の女性版という印象を受けた、とても面白い作品。こんな映画があったのか!!
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ふだん不満を抱えつつ毎日我慢して生きているのだから、たまにはパァーッと羽目を外したいと考えている人はいくらでもいる。一線を越えてしまっちゃダメなんだけど、越えてしまったらこんなになるよという後ろ向きの教訓をこの作品からくみ取ってもらっては困る。二人の心情と行動に共感してほしい(っていうか共感するようにできている脚本と演出が、それはそれはみごと)
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週末バカンスを知り合いの別荘で過ごすため、ドライブ移動中の二人の女、テルマとルイーズ。ロクでもない男に絡まれて事件を起こしてしまい(相手の方が悪いよね)、指名手配を受けることに。それでもテルマの恋人や途中で知り合ったチョイ悪の若者(=ブラッドピットが若い!)にも助けられて(?)、 FBIの捜査網をかいくぐり、アーカンソー~オクラホマ~アリゾナ~と車で逃げ回るロードムービー。西部劇の定番撮影スポット、モニュメントバレー(とグランドキャニオン)は、現代映画でもしっくりきますねぇ。
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逃げ回るうちにふたりの関係性が変化していって絆が深まっていく様子がユーモラスで素敵だ。いろいろと笑えて痛快で、どうしても二人に共感せずにはおれない。「大目に見てあげてよ」と言ってしまいそう。
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これはどういうラストになるのだろう? と期待と心配が高まる中、そのハードルをはるかに飛び越えるラストだった。お見事、すばらしい!!!