いきぬこか

きみに読む物語のいきぬこかのレビュー・感想・評価

きみに読む物語(2004年製作の映画)
4.2
アリーが選択をするとき、二人といるときの自分がそれぞれ別人のように思える、というセリフがとても印象に残った。

婚約者といるときのアリーは、ゆとりがあって魅力的だ。ユーモアもある、チャーミングなお嬢様といった感じ。大人になった。
反抗してきたといっても、大切にしている親から最大限の祝福を受ける結婚で、婚約者の彼と結婚しても、彼女らしく、十分に幸せになれると思う。

ただ、ノアといる彼女は、喜怒哀楽豊かで、女としてだけでなく、一人の人間として心が自由だ。
ノアは自分がしたいことを問うてくれる。ノアは、アリー自身が、沢山の習い事も嫌いでないが、本当に自分が好きなのは、絵だと気づかせてくれた。
それに加えてノアの揺るぎない愛で、安心しきったアリーの姿は、本当に、可愛い。

どちらのアリーも本当の姿だと思う。
心の声に、従って選択できたアリーが羨ましい。
現実には、心の声に従えなかったり、本当の心の声に気づけなかったり、勇気ある決断はなかなかできない。

その点、本当の心の声に従えたアリーが最期まで幸せな姿を見られて、幸せな気分になった。