リッキー

きみに読む物語のリッキーのレビュー・感想・評価

きみに読む物語(2004年製作の映画)
4.4
998本目。190411
「現代版ロミオとジュリエット」
自分に愛する人がいて、自分も愛されていると確信している人が鑑賞すべき作品

主人公のノア(ライアン·ゴズリング)のように出会った直後にその人を好きになる感覚というのは、不思議なものです。相手の容姿·性格、学歴や職業、経済力などから打算的に判断するのではなく、相手が放っているオーラのようなものに魅かれるような感覚とでもいうのでしょうか。とにかく表現するのが困難です。
本作を鑑賞して「極妻」での名言「惚れた男が、たまたま極道やったんや!」という、かたせ梨乃さんの名台詞が甦りました。

全編を通じてノアの一途な想いが伝わります。アリー(レイチェル·マクアダムス)からの返信がないにも関わらず、手紙を1年間、毎日送り続けるという執念は恐るべしです。たとえ会えなくても、別な女性と夜を共にしていても、いつも彼の心の中にはアリーが存在しており、彼は約束通り家の改築をし、そこでアリーを待っています。
彼にとってアリーへの想いは現在進行形なのです。

一方のアリーからは彼ほどの情熱は感じられませんでした。
彼への想いが同じものであれば、親の言いなりのままでいるはずがないように思えます。
この段階で二人の想いは対等ではありません。大学生活中に次第にノアは忘れ去られ、素敵な婚約者に満足していたのだから、彼女にとってノアの存在は遠い過去の思い出に過ぎませんでした。つまり、ノアと違って、二人が再会できなくてもアリーはそこそこ幸せになれたのだと思います。

この相手を想う度合が対等でないことをノアは理解していたし、アリーを責めようともしません。究極の愛は見返りなど求めてはいけないのでしょう。相手の幸せを考えるのであれば、潔く身を引くという選択肢もありますが、ノアは自分こそがアリーを幸せにできるという自信があったのでしょう。
こんなことを考えたり、実行したりできる人はあまりいないのではないでしょうか。

エンディングも見事です。二人が出会いから最期まで運命の人であり、幸せな人生を歩んできたことがわかります。

「愛する幸せ」と「愛される幸せ」が堪能できる作品でした。