ひでやん

きみに読む物語のひでやんのレビュー・感想・評価

きみに読む物語(2004年製作の映画)
4.5
再鑑賞。

老人施設に入居している老父が、ノートに書かれた物語を老女に読み聞かせる。

それはノアとアリーの愛の物語。

誰が書いた誰の物語か、二人は今何をしているのか。過去と現在を観ていると次第にそれが分かってくる。

思い出は日々遠ざかり、色褪せていく。ノアは忘れないように、アリーには思い出してもらうように、何度でも読む物語。

ノスタルジックな青春の日々、材木の匂い、夕陽や月の光が水面でキラキラと乱反射する川。のどかな片田舎の風景が美しい。

ぶら下がった観覧車、横たわった車道、飛び込んだ川、笑って喧嘩してまた笑った夏の日。

そして離れた二人。ノアは約束の家を建て、アリーは別の人と婚約。

ライアン・ゴズリングは妙に髭が似合う。レイチェル・マクアダムスは笑顔がキュート。

再会した二人の間に流れる時間が切ない。二人で過ごした日々は昨日の事のようで、遠い昔のこと。

無数の水鳥の中でボートを漕ぐシーンが美しい。降りだした雨は、あの日の喧嘩も、離れていた歳月も、全てを洗い流すようだ。変わらぬ想いを綴った365通の届かなかった手紙が切ない。

そして心に残る熱いキスシーン。そりゃあジャケットにもなる。川や海や雨、二人は「水」がよく似合う。

大袈裟な演出のラブストーリーだと思う。だけどノアの深い愛には感動せずにはいられない。

また泣いちまった…。
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