Takaomi

きみに読む物語のTakaomiのレビュー・感想・評価

きみに読む物語(2004年製作の映画)
3.6
ドキドキするシーンもあったし、全体的に綺麗な映画でもあったけれど、余韻に浸れるような感動がなかった。非常に惜しい映画。

貧富の差や時代背景など重要な部分の描写が描かれておらず曖昧になっていたんだと思う。
やはり貧富の差というのはロミオとジュリエット的な喉から手が出るほど欲しいけど手に入ることのできない、じれったさや虚しさ、決して超えられない壁を見せることによってその困難に立ち向かえる燃えるものが生まれると思う。

ノアの生活にはそれはあまり感じなかった。
父ちゃんはいい人で、アリーの両親は思ったより寛容であまり困窮な感じが伝わってこなかったし、どちらかと言えば早すぎる子供同士の恋愛ストーリーにした方がよかったかも。ひと夏の恋愛なら夏っぽさも足りない。

そして終盤になってもピュアで自分勝手な恋愛観のままで、純愛とは言い難いのが残念。
未亡人の愛人がいるわ、婚約者のロンがいてもノアのことを忘れられないわ、急に母さんが応援してくるわ、はっきりしてくださいよ、大人なんだから!!!

この手の映画はできるだけ濁らせないで透き通ったままであってほしい。
人様に迷惑かけないで!略奪愛なんてもっての外!!

ラストは一番感動するところだけど、やっぱり足りないよ。。。
回想シーンが。。。もう少し丁寧に描いてほしい。
いい展開で忘れて鎮静剤を打たれるのはやめてえ。。。

個人的にこの手の映画は回想をどれだけ入れられているのかに焦点を置いている。ニューシネマパラダイスなんかは回想の王様と言えるほど完璧で80年ほども生きていのだから、なおさら二人だけの思い出に重きをおくべきだろう。
あのころは。。。あぁ。。。と時の流れることの儚さを目で耳で心で感じ、終わったあとの余韻で感動させてほしかった。
プロローグの船のシーンと音楽は幻想的で素晴らしかっただけに残念。

それでも廃墟となった屋敷や道路で踊るシーンなどの印象的なシーンはよかったし、レイチェルマクアダムスが本当に可愛くて惚れました(笑)
Takaomi

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