まりぃくりすてぃ

ゆきゆきて、神軍のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)
5.0
奥崎謙三さんが、裕仁に、もちろん圧勝。

奥崎さんの求めるものが「平和」よりも「理不尽じゃない世の中」だった以上、世界第1位のこのドキュメンタリー映画は『彼の人生は間違いじゃない』へと改題可能。2017年風に。
ただし“宇宙一”とまでは褒め殺したくない(笑)。
とりあえず、全国の小学生に道徳授業でこれ観せよう。生きてるうちに観れて私、本当に本当に本当によかった。これ観ずに死ぬ人がカワイソウでしかたない。

平和派のマルティン・ルーサー・キング・ジュニアも、武闘派のマルコムXも、亭主関白ぶりはほぼ同じだった。
人道主義の塊のはずのマハトマ・ガンディーが、カースト制度の存続を容認しちゃってた。
貧者に治療を受けさせずひたすら天国のすばらしさを説いていたマザー・テレサも、自分が重病の時は立派な病院で最新治療を施されてた。
キリスト教史上最もキリストに近い愛の人だったアシジの聖フランチェスコも、怒れば弟子をぶん殴ってた。
──────もはや奥崎さんを批判・揶揄できる資格を誰も持たない。フクシマを有耶無耶にしてのけたりと“歴史はさんざん繰り返しつつ”。

ただし、あっぱれな奥様あってこそのヤンチャ坊主のよう。
そして、本当のラスボスは古清水じゃなくアメリカなんだけど。田中角栄氏はそのアメリカに不当に潰された愛国者なんだけどね。