仕事一徹、引退間近までホームに立ち続けた北海道の鉄道員が、雪深い夜、懐かしくも悲しい思い出の人に遇う!
はい。
身内語りで恐縮ですが、だすちーの連れは、若い頃、お産をとる仕事をしていました。
夜の二時でも、三時でも、妊婦さん出血が止まんないとかで、病院から「助けて〜」という緊急ヘルプコールがあると、「はい!いきまぁす!」
そう言って三分後にはもう家からいなくなり、そのまま、次の日まで仕事を続けていました。まー鉄道員さんと同じく家庭生活を犠牲にしなきゃつとまらない仕事ですな。
あまつさえ連れは、「最期は無事にお産をとったあとで、分娩室の隅っこで静かに死ねたら本望〜」と常日頃言ってました。
まるで乙松さんみたい。
まさに、お産の仕事は、連れにとっては天職なんだと思います。天から与えられたものだからもうどうしようもない!
どんな事があっても、ホームに立って運行の安全を守ってきた乙松さんにとって、鉄道の仕事もその天職以外の何者でもなかったのではないでしょうか。
蒸気機関車、炭坑の街、赤字のローカル線、時の流れの中でその役目を終えて、消えてゆく定めのものをノスタルジックに描き切った美しい映画だと思います。