磨

鉄道員(ぽっぽや)の磨のレビュー・感想・評価

鉄道員(ぽっぽや)(1999年製作の映画)
4.3
リバイバル上映‼︎
原作は浅田次郎の短編小説。
1999年、第23回日本アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞など9つのカテゴリーで“最優秀”を獲得するなど同年の邦画界を席巻した作品。最近では志村けんさんが唯一出演した映画という事で話題になりました。

これは良い、傑作。
ファンタジー(オカルト?)的な要素に賛否分かれるとの事ですが、個人的にはそこが泣ける。

高倉健を体現したような主人公の佐藤乙松の生きざま。演技は深く言葉は少ないのに重く、自然体なのに圧倒的な佇まい。やはり健さんの偉大さを感じます。

最優秀助演男優賞を獲得した小林稔侍さん演じる杉浦仙次もやはり印象的。
調べたら小林稔侍さん自体が高倉健さんの中学生の頃からの大ファンであり東映時代の恩人。本作が主演と助演としての初めての映画で「端役でなく、ちゃんとした役で健さんと共演し、恩返しがしたい」との念願が叶った作品。あの演技はこの想いが込められているのですね、納得。

志村けんさんはこれが唯一の映画出演とは思えないほど印象的。もっと映画に出演する姿をみたかった。



いつもならリバイバル上映作品を「初見です」と言うところですが、映画にそこまで興味がなかった高校生の頃にレンタルでたまたま観ました。
普段、このような作品はあまり縁がなかったのですが、まさに琴線に触れるとはこの事。ラストで涙した初めての映画かも知れません。

ただ、そこから一度も鑑賞していないのでいつか観たいと思っていましたが、鑑賞に至らず。高倉健さんをはじめ、降旗康男監督、そして上記の志村けんさん、其々の方が亡くなった時にも本作は話題になり、その都度気にはなっていたのですが‥。
しかし、ここでまさかのリバイバル上映との報せ。スクリーンで当時の感動を確かめるという幸せを噛み締めて参りました。
磨