クレヨンしんちゃん映画第6弾。
コンピューターウイルスを題材にした、ほんの少し時代を先取りしたアクション活劇。
前作『暗黒タマタマ大追跡』で魅せた、アニメならではの華麗なアクションに個性的すぎるキャラクターは本作でも健在。キーキャラクターとなるぶりぶりざえもんはあまり出番はないが、意外な形で登場し、意外な形で去っていく。しかもその去り方がカッコよく、しんのすけ映画屈指の名シーンとも呼ばれる程。ヘンダーランドでも見せた別れに対するしんのすけの涙も印象的だ。
また伝説のトイレの場面は何度見ても爆笑もの。急に劇画調になる演出は後の作品にも何度か見られる。
15年の『オラの引越し物語』よりも先に海外進出しているが、大規模な爆破アクション、空中戦を考慮したうえでの舞台設定なんだとか。世界を股にかけているのはわかるが、それに意味があったのかは微妙なところ。
ただし不満は少なく、傑作が多いとされる初期のクレしん映画では最も映画らしいスケールの作品であるように感じた。興行的には惨敗だったらしいが、今も隠れた名作として人気があるのも頷ける。