Risa

愛のめぐりあいのRisaのレビュー・感想・評価

愛のめぐりあい(1995年製作の映画)
4.0
出てくる部屋や階段、道、エントランスは何気に素敵だし、風景も良し、音も良し。

ストーリーは切ないです。
いくつかの恋愛をオムニバスの様に撮ってあります。

マルコヴィッチが映画監督役で、旅をしながら着想を得ていく、、というベース。

ミケランジェロ・アントニオーニ監督とヴィム・ヴェンダース監督で、豪華なキャスト。

最初に恋に落ちる2人は兎に角美しい2人。
イネス・サストルとキム・ロッシ・スチュワート。
始まりに相応しい2人です。出会いのシーン、場所が素敵です。
始まりなだけあり、進みそうで進まない、何とも甘やかで切ない恋です。
裸で向き合っておいて、お互い好きな癖に、、触れない2人。『ありえない恋の物語』。

続いて、ソフィー・マルソーとマルコヴィッチ。『女と犯罪』マルソー脱ぎます。美しいです。嗚呼、なぜ マルコヴィッチなんだろう。悔しく感じるのはもちろん、マルコヴィッチがハゲているから。。。

その次に、ファニー・アルダンvsキアラ・カゼッリ『私を探さないで』。
不倫物語です。傷付けあって、貪りあって、なんとも虚しいです。
アントニオーニの赤が似合う2人。
この手の辛いお話にアルダンは合います。。ジャン・レノが出てきてびっくりです。ここで出てくるオフィスの様なお部屋も素敵。モダンです。雑多に物がちらかしてある雰囲気まで含めて良いです。

イレーヌ・ジャコブ、バンサン・ペレーズで『死んだ瞬間』
諦めるしか無い恋愛っていくつかあると思いますが、まさか 諦めの上の諦めというか、、ある意味うまい。

ちょろっと出てくる ジャンヌモローと、翌年には亡くなっているマルチェロ・マストロニンヤ、、!

マルコヴィッチが、『仕立て屋の恋人』の窓から覗くシーンに似たようなショットがあり、映画監督って覗き見的な要素があるなと印象づけられたのですが大丈夫でしょうか。

様々な恋愛で 沸き起こる感情、抑えきれないもの、それらの雰囲気や空気感がカメラにきちんと収められてます。
カメラの中にその空気が本当にとどまって見えて、伝わってくるという印象を受けます。ただ、それぞれの恋愛というのは 全容は描いておりません。全く異なり過ぎる恋愛。

やはり印象派。
Risa

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