デイジーベル

ホーリー・マウンテンのデイジーベルのレビュー・感想・評価

ホーリー・マウンテン(1973年製作の映画)
4.1
【映画は自由だ!】

神秘的で背徳的でブッ飛んでる。
前作「エル・トポ」の強烈なヴィジョンを更にスケールアップした自由過ぎる映画(もちろんストーリーは有りますよ)

(ストーリー)
キリスト的に張り付けてにされている所から始まり、小人に助けられ、なんとか塔に逃げる。そこで錬金術師に出会い、太陽系の惑星に守護された7人の男女と共に、不老不死を目指して「聖なる山」を目指す……そんな感じ


とにかく全てのエピソードが強烈。(映像的にも内容的にも)そのあまりに強烈なインパクトや世界観に、我々に出来る事は、口をポカンと開けて驚嘆するか、そんなバカなと笑い転げるしか選択肢はないのではなかろうか?

色々なメタファー的な要素が散りばめられており、観る人によって″全く違う作品″として楽しめる仕様だと思う。(最早、″人類史の縮図″と言えなくもない)

後半のドキュメンタリー的な演出や、映画史上 最も予想だに出来ないであろう、最悪(最高)のラストもこの作品の魅力だ。(ラスメイヤーの「ワイルドパーティー」を思い出したのは私だけだろうか?)

色々と見所は沢山あるのだが、先ずは自身の目で確認していただきたい。ひょっとしたら肩の力が抜けて″物事の捉え方″が柔軟になるかもしれない…又はテレビ画面に何かを投げつけたくなる衝動に駆られるかもしれない…


ちなみにメキシコ映画史上最高額の150万ドルをかけてこの作品を作った事にも驚きだ

私的にはホドロフスキーの最高傑作であり、愛すべき傑作の1つだ。(ちなみにリアリティのダンスはまだ観てない)