ひでやん

ホーリー・マウンテンのひでやんのレビュー・感想・評価

ホーリー・マウンテン(1973年製作の映画)
4.8
再鑑賞。

ワケ分からんのにまた観てしまった。
ワケ分からんのに高評価つけてしまった…。

錬金術師と9人の男女が不死を求めて聖なる山を目指す巡礼の旅で、ざっくり言うと前半は塔に登り、後半は山に登る。

のっけから度肝を抜かれる映像で、ぶっ飛び過ぎて笑ってしまう。

女性の裸身が肉の塊や彫刻、オブジェのように感じられるオープニングの後、はりつけにされた男が目を開ける。

神の復活を思わせる男はキリストの大安売りをする男たちに全身の型をとられ、暴れた後で型を一つ持ち帰る…。

なんだこりゃ!

皮を剥ぎ取られた羊、爆発で吹き飛ぶヒキガエルとカメレオン、黄金に変わる糞、サイケなラブマシーン等、強烈な描写が次々と襲いかかる。

人と動物をシュールでファンタジーな映像で描き、理解不能のホドロフスキーワールドに引きずり込んでいく。

なるべく頭で考えず、目で楽しむようにした。入浴シーンや瞳のテーブルが芸術的で魅了された。

タロットで精神的に疲れたが、欲望や肉体への執着を捨てる修行は少しだけ楽しめた。

なんだこりゃ!!!!!!!と、感嘆符が7つ並ぶ程の衝撃と、は???????と、疑問符が7つ並ぶ程の不思議が脳内を埋め尽くした後、ラストで免罪符となる一言が放たれる。

やりたい放題した後、それ言っちゃうと全て許されてしまうよな…。


超現実主義者にとって映画は最も優れた芸術形式だ。そう思っているから映画を撮るんだ。ハリウッドは芸術を殺している
─アレハンドロ・ホドロフスキー
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