ちゃんきな

映画 ドラえもん のび太と緑の巨人伝のちゃんきなのレビュー・感想・評価

3.0
10年ぶりくらいに観た

当時はドラえもん映画というだけで無条件に良作だなと思っていたけれど、ちゃんと観ると終盤全く意味が分からない。


序盤、裏山から捨てられた苗木を拾ってきたのび太が自分ちの庭に植えてやろうとする。
しかしママに「庭に変なものを植えないで」と注意されたので、ドラえもんに頼りひみつ道具で木の苗をキー坊へと進化させる。

その後すぐにキー坊の存在がママにバレるけど、ママはキー坊を気にいる。のび太が連れてきた生き物をママが気にいるパターンは見ていて飽きないから好き。

ジャイアンやスネ夫がフェンスにしがみつきながら「溶岩に落ちたら負け」の謎のゲームをしているシーンも微笑ましいし、スーパーから出てきたしずかちゃんが大きなスイカを重たそうに持っているシーンも夏らしくて良かった。
横断歩道を渡った先にいた出来杉くんが「過ちを犯すのが人間の悪いところだけれど、その過ちから学べるのが人間のいいところ」と言っているそのセリフもすごく良かった。

とりあえず物語の導入はとても丁寧に作り込まれていて、観ていて気持ちがよかった。

でもやっぱり導入までに35分はちょっと時間がかかりすぎてるようにも思う。
誰もが日常のふとした時間を心待ちに映画を観ているわけではない。
なんならお金を払って劇場に足を運ぶ人たちはハッとした驚きを求めている。
なんだかペースがダラダラとしていて、サビまでがだいぶ弛んだ印象だった。

ようやっと本題に入る頃には40分が過ぎており、その後難しい環境問題を題材に物語を繰り広げるには時間が足りていない。

父と母を亡くした王女様がツンケンしてる意図や、山の民と街の人々が分断された生活を送っている意図が全く説明されてない。

いろんな作品に触れてればうーんこういうものなのかな?という個人的なこじつけでなんとか話を繋げられるものの、子供には到底不可能なので何を観させられているんだ?といった感じになる。

地球とつながった理由や、巨人がどういったものなのか、どうやって地球を元に戻したのか…説明されていないことが立て続けに起きて全く意味が分からない。

感動させたい、環境問題に触れていることをアピールしたい、愛や戦争について学んで欲しい…いろんな思惑がごちゃ混ぜになって何ひとつまとまりがない。

綺麗な作画と丁寧に作られた序盤のストーリー、絢香の歌だけは最高でした。
ちゃんきな

ちゃんきな