むっしゅたいやき

霊魂の不滅のむっしゅたいやきのレビュー・感想・評価

霊魂の不滅(1920年製作の映画)
4.0
スウェーデン映画の父であり、ベルイマン『野いちご』では主人公の老博士・イサクを演じて見せた、ヴィクトル・シェストレムの監督作品。
丁度100年前の元日に公開された、サイレント映画の傑作です。

本作のプロットに就いては一種の改心物であり、言及即ネタバレになりそうな為、省略します。
構成として時間的な点で話が入り組んでおり、現実なのか回想なのかが少々理解し辛い面も有りますが、現実室内は黄、野外は青、そして回想は赤味がかった色調で分けられており、慣れれば問題有りませんでした。

演出に関してはフラッシュバックの多用による話中の回想や二重露光による馬車の描写、海中描写等、撮影時期を考慮しても目を見張る物が有ります。

ただ、総じて『綺麗によく纏まっているが、展開も小さくインパクトに欠ける』印象で、破綻も無ければカタルシスも無いと云う感想に終始します。
クライテリオン版ジャケットの馬車のシルエットは大変素敵ですが、個人的に余韻は小さい作品でした。
むっしゅたいやき

むっしゅたいやき