えりみ

ナイロビの蜂のえりみのレビュー・感想・評価

ナイロビの蜂(2005年製作の映画)
4.3
WOWOWで。
今作もスパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレ原作とは。
というかアンジェリーナ・ジョリーが主役の政治実録モノやと勝手に思い込んでた。全然違う、何と間違うてるんやワシ(-_-;)
スパイものでもないが製薬会社の闇を描き英国官民も絡む社会派ミステリー。エゲツないことやってるけどあながちフィクションとも思えない。
レイチェル・ワイズが妊婦ヌードまで披露して2006年アカデミー助演女優賞を受賞。彼女の方が明らかに目立っているけど主役はレイフ・ファインズ。原題のようにいつも庭師か!というほどガーデニングばかりしている大人しい高等弁務官の役、地味。
邦題は製薬会社の社名からきているのかと思ったら、「蜂の一刺し」こっちのほうか!
悪い人にビル・ナイ、ワケあり医師にピート・ポスルスウェイト(もう亡くなってるとは)、主役の上司にダニー・ヒューストンと好きな人が出てる。

唐突にトゥルカナ湖のシーンで始まり、途中また繰り返される意味深なこの演出はラストシーンに効いてくる。泣かせる。
失って気づく妻の真実の愛。
出会った頃から正義に燃え自ら行動する人道支援活動家の彼女と正反対な事なかれ主義の旦那、それでもゲスの勘繰りしたり人並みに嫉妬心はあったりして。
目の前の不幸な子供を救おうとする妻の行動をいさめる主人公が、
期せずして後に同じ状況に置かれ絶望するくだりがなかなか。
ナイロビのスラム、政治腐敗、武器商人と並び称される製薬会社の悪行などジョン・ル・カレ節が存分に発揮されながらも愛の物語でまとめてあるのがイイ。
劇中に出てくるMacの小さなサイズの動画が懐かしい、10年以上前の映画なのね。
えりみ

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