終盤まで「"追憶"と題されている意味」に引っかかりつつ、ラストで氷解。
未解決の猟奇殺人、それこそは捏造や拷問が常態化していた旧来の田舎警察自らが陥ったものだと糾弾する意図がある。ただそれを笑いでくるみ、科学的・論理的にアプローチする進歩的なソ刑事がいずれ覆すだろうと油断と予断をもって観ている観客を、物語は裏切る。垢抜けないようでいて、やはり上手く構成されていると感じた。
「足で捜査する」田舎刑事の「捜査」の意味するところと、その因果応報がきれいに織り込まれる点とか、そういう丁寧さは心地よいとまで思う。
