かんさか

殺人の追憶のかんさかのレビュー・感想・評価

殺人の追憶(2003年製作の映画)
3.4
学歴の異なる三人の刑事がそれぞれ異なる方法で捜査を進める対比が印象的だった。

高卒(?)の刑事は、暴力で捜査を行い、その怪我が祟って破傷風に。
二年制大学卒の刑事は、直感で捜査を行い、冤罪を生んでしまう。
その一方で、四大卒の刑事はロジカルに捜査を進め、落ち度があまり見られないような描かれ方をされているのは、韓国における学歴社会の顕れなのかな。知らんけど。

杜撰な現場保存、自白の強要、長時間の取り調べ等、現代であれば問題視されるような警察腐敗の描写が目立った。
(日本に住んでるとそれを問題だと思ってしまうけど、韓国映画ってこういうもんなの?)

加えて、アメリカと比較して自国を自嘲的に捉える欧米主義的な価値観を強く感じた。(これもこういうもんなの?)

色んな要素が入り交じる上に、映画自体も割と早いテンポで進行していくため、シリアスな場面でも感情移入ができなかった。

追記
解説を見て。
韓国で実際に起きた未解決事件(華城連続殺人事件)をモチーフにした映画なのね。
警察の違法捜査が問題視された事件だそうで、そういった描写がみられることにも納得。
ポン・ジュノ監督自身、386世代(韓国における(1)1960年代生まれ(2)80年代に民主化運動に参加した学生(3)90年代に30歳だった世代)であり、デモシーンをはじめ民主化運動に揺れる韓国の空気感が再現されているそう。
https://youtu.be/YQndkAkAIAk
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