リサフランク420

殺人の追憶のリサフランク420のレビュー・感想・評価

殺人の追憶(2003年製作の映画)
4.1
9/12/2017
@filmnoir

やられた。韓国ノワールの傑作。粗暴なふたりと理知的な刑事が組んで難事件に挑むが、いくつかの点と点が繋がりを見せたところで明らかになったのは一刑事としての無力さだった。

目撃者の証言が無ければ動けず、目星がついたところで情勢の不安定さゆえに警官を動員できず、肝心なときに車は動かず、アメリカの技術力無しではDNA鑑定もできず、相棒は少しの傷で足の切断を免れず、心優しい少女ひとり救うことができない。

個人ではどうすることもできないこの世の不条理。刑事を辞めても終わることのない殺人の追憶。
鑑賞後の感覚としては『チャイナタウン』に似ている。