まめまめちゃん

殺人の追憶のまめまめちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

殺人の追憶(2003年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2020年2月に書き直し。

1986年に起こった連続婦女暴行殺人事件の捜査を行う若手刑事と捜査の行方を取り上げた作品。

怪しい(と刑事が思った)人を片っ端からしょっぴいて拷問して自白を強要するのが捜査だと信じ込んでいる田舎の刑事と、物的証拠から科学的に犯人を特定する都会の刑事が、ぶつかり合いながらもやがて同じ方向を見て答えを出そうとします。

爽やか刑事ストーリーなのかと思いきや、
捜査は進まず、イライラとストレスが警察も観客もピークに達したある時点で、冷静だったはずの都会の刑事に起こるアクシデント。この時点ですっかり心がこの作品に掴まれ、共感し、共に事件解決に向けて歩んでいる自分に気づきました。悲しくてやるせなくて不甲斐ないと同時に、この事件の犯人への憎しみは消えないのだけど、もうダメかもしれないとも思わせられました。

血の気が一気に引くラストシーンでのソン・ガンホのこちらを見つめる目が、犯人をいつまでもみているぞというメッセージであるとのこと。

この事件の犯人が時を経て特定されたその年に、ポンジュノ監督がオスカーを取ったことはまさに運命かもしれないと思いました。