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殺人の追憶のkaitoのレビュー・感想・評価

殺人の追憶(2003年製作の映画)
4.4
ネタバレあり
この映画のメッセージ性は大衆に向けてではなく、ある特定の人へ向けたメッセージ。

この映画、どうやら実話だとかなんとかかんとか。「殺人の追憶」めちゃくちゃ観たかった作品。この頃、韓国映画の雰囲気に圧倒され虜になってきてる。

先月観た「タクシー運転手 約束は海を越えて」で主演を務めたソン・ガンホ。彼がこの作品でも主演を務めている。が、俺は彼よりもキム・サンギョンのほうがよかったなあと。迷宮入りしてしまう焦りとイライラを見事に表現していたと思う。
ラストシーン
この映画は実話だと聞いたけど、映画の中で犯人は捕まらないまま終わる。ここに意外性を感じた。結局は誰か捕まるものだと考えていたので。ソン・ガンホが務める刑事は、事件後しばらく時が経った2003年、事件現場を訪れる。そこで、ある少女から「なにをしているの?」と聞かれる。
そしてさらに、「前にも同じようなことをしている人を見て、同じように質問したよ」と。そうするとその人は「以前、ここでやったことを思い出して、やってきた」(多少ニュアンスの違いはある)と答えた。この言葉を聞いたソンガンホは映画の観客に視線を送り、凝視する。そして映画は幕を閉じる。この映画は、当時の犯人へ語りかけているのだろうと思う。「もう自分から名乗り出てくれ」と言わんばかりに。
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