ゴロフキン

殺人の追憶のゴロフキンのレビュー・感想・評価

殺人の追憶(2003年製作の映画)
4.5
 冒頭の水田のシーンがとんでもなく綺麗で印象的。ソンガンホと少年の顔芸、無限に広がる金色の稲穂に秋晴れの青空、そこに浮かぶ縦書きタイトル。なんか韓国映画らしからぬ(失っ敬!!)品の良さ。もう完璧に美しいと思えるオープニング。こんなに映像で惹きつけられた映画は初めてかも。この時点で元は取った感じ。

 実際に起きた連続婦女暴行殺人事件がモチーフ。冒頭で「未解決」と言い切ってしまってるんで途中の捜査の結果もある程度見えてしまう。胸糞悪い題材ですが、犯行の様子や遺族の悲しむ様子は極力出てこない(死体は出まくりでしたが)ので、あんまりグロいとかハラワタ煮えくり感とかは無いです。ただ、ソンガンホのちょいちょいぶっこんでくる笑いや、非日常的で派手な乱闘シーン(ドロップキック乱発!)があって、マジなサスペンスなのかそれともエンタメ寄りなのか、どんなスタンスで見ればいいのか、なんか座る位置が定まらなくて落ち着かない感じでした。そういや酒場の乱闘シーン、あれ何発かクリーンヒットしてません?

 暴力刑事のソンガンホと常に冷静だけど燃えてるキムサンギョンの魅力や、いかにも怪しそうな容疑者、そして目撃者に至るまで全員のキャラが完璧。結果が見えてるっていうのに、全く間延びしません。2時間あっという間ですが、内容はかなり濃密。ドラマ1クール一気見したくらいの疲労感です。
あと、顔のドアップ(スクリーンで見たかった)や、その直後の引きの映像などが多くてカメラワークのこだわりも特徴的、こういうの結構好きかも。

 終盤にさしかかり、果たして一体どんな形でこの映画を終わらせるのかソワソワしてくるのですが期待以上の締め方。ラストシーン、あの場所でのソンガンホと女の子の会話はトリハダもんでした。最初と最後のシーンは自分的には100点満点。この映画のタイトルがズバリと嵌った感じ。

 題材が題材なのになぜか爽快感しか残らない映画です。