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殺人の追憶のERIのレビュー・感想・評価

殺人の追憶(2003年製作の映画)
3.9
シネマート新宿でパラサイト公開記念、鬼才ポンジュノの世界という特集をやっていて、観たかった2003年公開「殺人の追憶」を劇場で観てきました。ラッキーすぎる。たぶん数回行ったことのあった映画館だったのだけど、思ってたより広くてテンションあがったし、何より集まってる人たちが確実に映画ファンでディープな空間。た、たのしい。

なんと言っても、ソン・ガンホさんの顔。この顔に私たちは気持ちを投影して、この顔に物語を読む。脚本も本当に素晴らしくて、めちゃくちゃ面白かった。ポン・ジュノ監督の面白い映画を作る、という覚悟みたいなものと徹底的に考え込まれた思考量に拍手しかない。そして、その脚本を映画にしていくカット割りや音、場面展開、度重なる伏線に、引っ張られてグイグイこの世界に誘われる。

本当のことは、わからないけど。ラストもめちゃくちゃ怖くていい終わり方だった。あの女の子の見た顔って。あの子のなんとも言えない表情とソン・ガンホさんのコントラストも良い。

一面に広がる田園畑で起きた悲惨な事件に、もしかすると本当に起きた事件をモチーフにしてるのかもな、と思ったらそうみたいだね。この事件に向けられた怒りのリアリティがすごくて悔しさと悲しさで埋め尽くされる。グァンホ役のパク・ノシクさんも素晴らしかった。まるで見たみたいだって思ったカセットテープが後半にキーとなって物語はどんどん転がっていく。

ポン・ジュノ監督の才能と情熱を、殺人の追憶にみる。好きだ。