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殺人の追憶のOBのレビュー・感想・評価

殺人の追憶(2003年製作の映画)
4.0
今週末は、アメリカ、イタリアと来て最後は韓国映画。時代も90年代→50年代→80年代と正に地域×時間旅行感覚。やはり映画というのは素晴らしい。

で、本作。

観たかったポン・ジュノ監督作品。さすが期待通りの見応えのある映画だった。

混沌とした埃っぽい80年代の韓国。まずはこの匂いのキツい世界観に吸い込まれる。この感覚はパラサイトでも感じた感覚。

やはりシナリオが素晴らしい。じわじわと、登場人物の人間性や周囲との関係が語られ、事件の背景、状況、難解さが際立ってくる。

たたみかけるような終わりのない展開に観ている側も息苦しくなり、早く回答が欲しくなるが、そう簡単にはスッキリさせてくれない。感情を振り回される感じ。それは何と最後まで。(えっ、ここで終わっちゃうの??)

後から、本作は実話であり未解決事件だということを知った。(最近、犯人は判明したらしいが既に時効。。)

ソン・ガンホという俳優の安心感は凄い。ポン監督が任せるのも頷ける。(まさに黒澤と三船の関係を彷彿)

ポン・ジュノ監督作品というか韓国映画自体がまだ2作目という初心者だが、充分引き込まれた。まぁ、映画という総合芸術において、才能の有無や、面白さ、素晴らしさに国は関係ないということだろう。

次は何を観ようか。
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