great兄やん

殺人の追憶のgreat兄やんのレビュー・感想・評価

殺人の追憶(2003年製作の映画)
3.9
【一言で言うと】
「時代が消し去った“真実”」

[あらすじ]
1986年10月23日、農村で若い女性の変死体が発見される。地元の刑事パクは地道な取り調べを始めるが、現場は大勢の見物人で荒らされ、なかなか証拠がつかめない。やがて、第ニの事件が起きてしまう...。

なんとも言えないなこれは😫...

韓国三大未解決事件の一つというのは知ってましたけど、やはりこういうストーリーは観ていて救いがないからスッキリしないんですよ(-_-;)...
ただ、やはり重苦しいテーマでありながらも観ていてストーリーに引き込まれる演出は流石ポン・ジュノ監督の唯一無二の魅力だと感じましたね🤔

まず何と言っても直接的な死体や殺害の描写はないのにも関わらず、どんな風に殺されたかを観てるこっちに考えさせにくる所がもうゾワゾワしますし、特に演出面でかなりゾッとしたのがパク刑事の奥さんが夜道で歩いている時に中学生の女の子とすれ違うシーン。
あのシーンは観ていてメチャクチャ肝を冷やしましたね😰
まるで“どちらにしようかな…”と選んでるようで...もう恐怖でしかなかったです😱

にしても韓国の警察ってなんであんなにポンコツなんでしょうかね😅
反抗できなさそうな奴を無理やり犯人に仕立て上げて嘘の証言を自白させたり、仕舞いには感情的になって無実の人をフルボッコにしたりともう杜撰もいいところ(^◇^;)
特にソウルから来た刑事を犯人だと決めつけて飛び蹴りをかます所は思わず笑ってしまった😂
確かに正義感が強いのは大事だけど...いくらなんでも感情的になりすぎでしょ(^_^;)

まぁこの事件が起こった1980年代はちょうどあの“光州事件”の真っ只中でしたからね...そのせいで連続殺人事件よりもそっちの方を優先してしまったのもあるだろうし、人員が少ないやら捜査が杜撰やらといったのがつもりに積もった結果未解決事件となってしまったのだと思いました。

しかも更に胸糞悪いことにこの事件から33年後に犯人が特定されるけどまさかの時効で罪に問えないという...ホント、マジで疑問なんですけど時効って本当に必要なんでしょうか?☹️

とにかく全体的にはシリアスながらも、コミカルなオフビートのノリが絶妙だったりと、最初から最後まで退屈になるところが無かったです!!
演技面でも一人ひとりの存在感はありましたし、やはりその中でもソン・ガンホの存在感は圧倒的でした。
特にラストのあの表情。彼はあの時に何を思ったのか...
少なくとも、あの表情にあったのは“後悔”だったのかもしれません😔