Apr. 26th
Steven Soderberg監督作品
Stephen Mirrione編集
Michael Douglas主演
2000年アカデミー賞監督賞、助演男優賞、脚色賞、編集賞受賞
次は何を破壊してほしい?
メキシコとアメリカの間のドラッグ事情を鮮烈に描いた作品。何と言っても目に入るのは、モノトーンのカラーグレーディング。場所を表す役割と、感情を伝える役割があった。かなり明確な色の使い分けだからこそ
、伝わってくることは多く、たとえスペイン語で話がわからないとしても話を整理しやすくなっていた。
そして、編集。この作品で注目すべきは、2時間半の映画としての大きなシークエンスの編集。全体のストーリーでテーマを軸に構えながら、3つのストーリーをクロスカッティングでつないでいくリズム感がとても素晴らしかった。最後まで交差しないような話もあったが、どこでどのプロットを持ってくるのかというポイントが絶妙だった。ビジュアルだけ見て見ても、何がテーマでどこが一番大事なところなのかというところが一目瞭然。"Babel"でも見せたように、観客のテンションを保ちながら、確実に話を前に進めていき、気付いた時には世界観に溺れさせる。この能力は映画編集としては必須なものなだと思う。長編映画という一つの芸術作品の指揮者である。