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マンデラの名もなき看守のひでGのレビュー・感想・評価

マンデラの名もなき看守(2007年製作の映画)
3.9
タイトル通り、南アフリカの英雄マンデラと共に歩んだ看守グレゴリーの物語。

実話の力強さ、
実話の持つ重さが全編に貫かれていて、
なかなかの良作でした。

本作の良さは、今まで悪役かちょいとした脇役でしかなかった(僕の観た中では)看守を主役に置いて、

その生活のリアルさをベースに、
南アフリカの置かれていた状況を
看守目線で描いたところがとても良かった。

冒頭、看守のグレゴリー一家は、
マンデラをはじめ、黒人政治犯が収監されているロベン島に配属される。

彼が看守として重用された理由は、
黒人の現地語を話すことができること。

グレゴリーは、マンデラの監視役に任命される。

グレゴリー一家にとって、この仕事は、絶対逃したくない、そして、将来の出世のステップにしたいもの。

黒人の暴動が日常化している南アでは、
ロベン島は治安が守られていて、安全に暮らせる場所なのである。

しかも、当時から経済的に逼迫している南ア経済では、看守という仕事を失うと
途端に露頭に迷うことになる。

彼らにはこの仕事にしがみつくしか選択肢がないのだ!

そんな、グレゴリーが、
黒人を「テロリスト!」ときめつけていた彼が、
マンデラに傾倒していく。

当然、彼は、「黒人びいき」として、
看守村社会からはじかれていく。

そこら辺のリアリティかとてもしっかりしている。

グレゴリー一家は何度も異動させられ、
引越しさせられ、
それと共に、
マンデラの人生も
南アの政治情勢も変化していく。

そこもとても見応えがあり、勉強になる。

グレゴリーを演じるジョセフ・ファインズ

マンデラを演じるデニス・ヘイスバート

二人の演技も光り、その点でも、重厚感が
ある。

やや、最後はまとめに入った感がなくはないが、それでも、観て良かったと思える
作品だった。
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