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鴨川ホルモーのdm10foreverのレビュー・感想・評価

鴨川ホルモー(2009年製作の映画)
3.7
【ゲロンチョリ~!!】

夏だね~~。
とにかく今年は「暑い」し「熱い」!!
皆さん、本当に熱中症にはお気をつけ下さいね。
というわけで、夏になると観たくなる映画って考えてみると何故か邦画が多い気がする。
直接的に「夏」を描いた作品もあれば、芯まで冷える「納涼系ホラー」もそうだし、「夏休み」に経験するジュブナイル的な青春ストーリーだったり。
「夏」という「期間限定感」が他の季節にはない高揚感や甘酸っぱさ、淡い恋とか、愛しさと切なさと心強さとか・・・いろいろなものが詰まった不思議な季節だと思います。

個人的には中、高校はサッカー部の練習や試合で朝から晩まで過ごしていたので、浮いた思い出は無し。大学も地元の学校だったので地方から来ていた奴らは実家に帰省してしまい、地元に残された僕はひたすらバイトに励む毎日・・・。
おいおい、結局「夏っぽい思い出」はないんかい!って我ながら寂しくもあり・・・。
特に大学時代って「サークル活動」っていう響きには憧れましたね。自分の行っていた大学にはろくなサークルはなかったけど・・。でもそんな中でも一緒にバカがやれる仲間がいるってのをちょっぴり羨ましく見ていたのも本音でもあり・・・。

もともと僕はあまり本を読まない人間なので、万城目学作品も結局は映画で触れる程度なので、実際の「万城目イズム」や「万城目タッチ」などは多分理解できていないのかもしれない。『原作はもっとディープでマニアックなんだよ~』なんて声も聞きましたが、逆に知らない分だけ純粋に映画を楽しめるかな・・・とも思います(「これはこれ」って割り切る寛容さも大切よ)。

で今作に関しても、もう何度目かの鑑賞となりますが、この「~のようで~でない」っていう絶妙な感じっていいですよね。ちょっと前に観た「DESTINY(鎌倉ものがたり)」でも感じた「パラレルワールド」な感じが程よいバランスで。

こういう「パラレルワールド系」の作品って「振り幅」とか「さじ加減」が凄く重要で、あまりにファンタジー色を強くしてしまうと、結局現実離れしたお伽噺みたいになっちゃうし、かといって「1mm、1g」程度に不思議なことを入れただけでは、誰も変化に気が付かないか、あるいは「霊現象?」みたいなあらぬ方向に舵を切ってしまう可能性もある。
そういった意味では『万城目学ワールド』は絶妙なバランスで結構好きです。

物語自体の評価は、多分もう語り尽くされているのではないかと思います。
個人的に山田孝之のファンなので、それだけで笑いのツボを一個確保と言ったところでしょうか。とにかく「ちょっとネガティブな三枚目」をやらせたら上手い俳優ですよね。
顔立ちは結構いいと思うんです。超絶イケメンの部類には入らないかもしれないけど、十分かっこいいと思うし。でもやっぱりビジュアルよりも演技の方に目が行く俳優さんですよね。
あと濱田岳のちょんまげは何回見ても笑う。あれはズルイ。彼も万城目作品を映像化する上では必要な俳優じゃないかと思う。リアルなんだけど、どこか浮世離れしているっていうか、ピントがずれているっていうか・・・そこが上手ですよね。

とにかく大好きな京都のロケーションに「異世界」が交差する不思議な感覚は何度観ても飽きないです。そして僕がこの映画を観るのは決まって夏です。何故かは分かりませんが夏です。

変に肩に力を入れずに、楽な感じで観るくらいが丁度いい映画だと思います。
でも、深夜に観ると妙なトリップ感があるかも・・・ご注意ください。





先日の西日本豪雨のニュースで、数年前に訪れた京都の鴨川や渡月橋で有名な桂川が濁流になっている映像や、沢山の方が避難している映像が流れたとき、本当に胸が苦しくなりました。
あの時はほんの数日の滞在ではありましたが、どちらもとても穏やかな景色だけが脳裏に焼きついているため、とても同じ場所の光景とは思えなかったのです。
今回被害に遭われた方におかれましては心よりお見舞い申し上げます。
僕は何一つ大きな力は持っていませんが、一日も早く皆さんが日常を取り戻せるよう、心から願っております。
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