爆裂BOX

ダーク・フェアリーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ダーク・フェアリー(2011年製作の映画)
3.4
ギレルモ・デル・トロが制作・脚本を担当して1973年のテレビ映画「地下室の魔物」をリメイクした作品です。オリジナルは未見ですが、オリジナルは古い屋敷に引っ越してきた若い夫婦の妻が体験する恐怖を描いた物語のようですが、今作では建築家の父と新しい恋人が修復作業をしている古い屋敷に引っ越してきた少女が体験する恐怖を映画いたものになっているのがデル・トロらしいですね。
監督ではなくとも屋敷の雰囲気やデザイン、地下室のデザインやゴシックシ趣味が満載な所にデル・トロらしさがあふれていると感じましたね。
両親の離婚で傷つき、両親どちらからも相手にされず孤独を抱えた少女が地下に潜む妖精たちにどんどん追い詰められていく物語もデル・トロ好みな感じですね。サリーを演じたベイリー・マディソン、最初は目つきが怖い子だなぁ…と思ってたんですが、父親にいたずらを疑われて泣きじゃくったり、襲来する妖精たちに怯え悲鳴上げる姿は圧巻の演技力でした。一人で寝るのを怖がって両親のベッドの足元で丸まって眠る姿が痛々しかったですね。でも、書斎で襲われた時は悲鳴上げながら本棚押して一体潰したり、終盤もボスっぽい妖精叩き潰したりと一番戦って強かった気がします。
父親アレックスの新しい恋人でサリーの言葉を信じて助けようとするキム役のケイティ・ホームズも好演してましたが、ベイリーちゃんには一歩及ばずといった印象かな。実の父親なのに娘の言うことを信じず、信じてからも妖精に異様にやられてクソの役にも立たないアレックス役のガイ・ピアースはこういう役ハマってたんじゃないですかね。
今作に登場する「歯の妖精」はずんぐりむっくりしてミイラみたいな顔をした猿のようなネズミのような造形してますが、こいつらがワラワラと群がって襲ってくる姿はそれなりに気味悪かったですね。でも、やっぱり小さいのでそこまで攻撃力ないのか最後の方まで重傷負う人はいても死者は出ないんですよね。ですから、怖さはあんまり感じませんでした。でも、鍵穴覗いた顔を針金のようなもので突こうとする所はちょっとゾッとしました。
全然役に立たなかった父親が生き残ってサリーを信じて頑張ってたキムがああなる無常な展開もホラーらしくて良いですね。
新たな一員が加わるラストはオリジナルと同じのようですね。
怖さはあんまり感じませんでしたが、ダーク・ファンタジーとゴシック趣味漂うホラーで中々楽しめました。オリジナルも見てみたくなりましたね。