さうすぽー

恋する惑星のさうすぽーのレビュー・感想・評価

恋する惑星(1994年製作の映画)
3.5
自己満足点 69点

ウォン・カーウァイ監督の世界的知名度を一気にあげた代表作。
先日紹介した「友だちのうちはどこ?」と同じく「みんなで選ぶオールタイム外国映画ベスト100」にランクインしていた作品になります。


トニー・レオンや金城武、フェイ・ウォン等の中華系俳優の名スターを毎回集めながら独特な作風と独特な映像表現でコアなファンが多いウォン・カーウァイですが、自分としてはやはり独特な映像表現が印象的かと思います。

小津安二郎等の固定ポジションのカメラワークとは対照的に、とにかく激しく動くカメラワークと細かいカッティングに最初戸惑いを感じながらも、徐々に美しいネオンと共に映っていく映像に中毒性を感じるようになるのが素敵です。
それを成功させた名撮影監督のクリストファー・ドイルの素晴らしさに脱帽です!


ただ、正直ウォン・カーウァイ作品は今作と以前観た「2046」と共にストーリーにあまり惹かれないです。

香港で普通じゃない形で出会った男女が触れあって別れていく話で、男のトニー・レオンと金城武が共に失恋してる設定のオムニバス形式のラブストーリーにクライム要素も強く入るという特徴的な内容。ですが、個人的に恋愛は人間の内面に男女が惹かれ合う内容が好きなのでそれを重視していない今作は今一つ味気無く感じてしまいます。


ですが、この独特な作風に惹かれるコアなファンが多いのは理解出来ます。
大衆向けの映画よりもこういった癖の強い作品の方がファンが付きやすいし後世に残りやすい気がします(キューブリック然りデヴィッド・リンチ然り)。

(余談)
ところで、今作の金城武はパイナップルを大量に食べたりブリジット・リンに「パイナップルは好き?」とナンパするシーンがありますが、彼って確かパイナップルが物凄く嫌いなんじゃ...?