上海十月

暗殺の上海十月のレビュー・感想・評価

暗殺(1964年製作の映画)
4.8
海外版DVDの特典映像でアレックス・コックスがこの映画のファンだとは知らなかった。篠田正浩監督作品では、傑作だと思います。清川八郎という新選組のきっかけを作り、徳川行ったり勤皇になったりと自分が偉いと言わせたい人物を丹波哲郎が嬉々として演じている。とにかく頭がよくてあざとく、人を虜にする悪魔のような奴だ。スタイリッシュな映像と大胆なアングルで見入ってしまう。回想もテンポがよく時代劇でヌーヴェルヴァーグやっているようだ。首を飛ばすところがとっても凄い表現だ。司馬遼太郎の小説ってみんなやりたがるが成功した作品を観たことがない。司馬遼太郎が小説の中で自分の意見をガンガンいうからだろう。それに引きづラれている作品が多い。本作は、その辺を坂本龍馬や弟子、取り調べた役人、女の供述書で木村功が奇妙なりと言う意味合いをさぐりだして上手く処理している。ミステリー映画かもしれない。「梟の城」を後に作る人とは思えない。同一人物だと思いたくないですね。
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