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ドン・キホーテのryosukeのレビュー・感想・評価

ドン・キホーテ(1957年製作の映画)
3.9
@アテネフランセ
ワンショットワンショットが安定して美しい長回し。
主人公二人が挫折を味わうまでは淡々とした会話劇が中心で、演出もこれといって特色が無いので若干単調に感じた(目立つのは地下の幻想シーンにおける多重露光と舞台演出のような照明ぐらい)のだが、風景描写が基本的に美麗なのでまあ楽しめる。
後半から盛り上がって来る。風車シーンの見せ方は期待通り面白い。
多重露光による幻想的な病床シーンとラストショットも美しい。
全体的に良くできた佳作という印象。
演技はかなり芝居がかっている。ドン・キホーテとサンチョはそれぞれ愛すべき魅力を放っていた。
アルベルト・セラ版もこの前見たが、同じ原作でも作家によって出てくるものは全然違うなと実感。映画と小説は別物なのだからそれが正しい在り方だろう。
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