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イタリア映画だ。
素晴らしい作品だ。
とても良かった。
実話を基にした物語らしい。
80年代、イタリアは精神病院を廃止し、患者たちは強制的に退院させられた。
家族の元に帰ったり、様々な雇用組合などに引き取られたりしたのだそうだ。
そんな組合の一つがこの物語の舞台だ。
主人公は労働組合員のネッロという男だ。
色々あって彼は、くだんの組合のマネージャーに就任する事になるのだが、意外や彼は非常に熱血漢だったのだ。
彼が組合で出会った患者たちは、簡単な作業のみに従事し、過剰な投薬により緩慢な動作しかできない、生きた屍のような状態だった。
ネッロはまず、彼らを普通の人間として遇するから始めた。
彼らの言う事を流したり否定したりせず、全てを肯定して認めてあげるのだ。
そして、彼らに責任ある仕事をさせ、正当な報酬を受けさせようと奔走するのである。
つまり、患者たちを一人立ちさせ、ゆくゆくは他の患者たちも救いたいというのが、ネッロの思惑なのだ。
以上のあらすじだけを見ると、説教臭い、暑苦しい物語だと思うかもしれない。
しかし、そんな心配はご無用。
基本的にこの作品はコメディなのだ。
みんな大好き下ネタも満載だ。
非常にデリケートな問題をはらんでいるので、笑っていいものかどうか悩むが、これは素直に笑う方が正解なのだと思う。
大いに笑っていただきたい。
ただ、終盤に重い展開が待っているので、そこは要注意である。
まあ、いい映画だ。
そして、いい場面のオンパレードだ。
組合員の患者たちのキャラクターがまた素晴らしい。
実に個性豊かで愛すべき人々なのだ。
彼らが作り出す名場面の数々を是非ともご堪能あれ。
「やればできる!」