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ブルー・ゴールド 狙われた水の真実のKSのレビュー・感想・評価

3.8
水は共有財産なのか、それとも商品なのかを問う映画。

水をテーマに企業による植民地化とも取れる政策が取られていることなどシリアスなテーマを追及していく。水道事業の民営化は、値上がりを招き、経済格差により水が飲めなくなってしまう事態を招いている地域まで出てきている。
この前『世界「最終」戦争論』という本でGDP拡大を目指すのは株式会社による資本主義社会だからであり、日本がこれを推し進めるなら都市部に人を集住させ、全てを経済活動に置き換えていかないといけない。しかもそれをやったとしても、永遠の経済拡大などありえない。という主旨のことが書かれていた。それから、アレックス・ギブニーのエンロンについてのドキュメンタリー映画では、カリフォルニア州における電気の民営化による問題点が描かれていたりした。
これらを合わせて考えると、いま日本は電気の民営化をしているが、日本の政治家は今、公共事業をどんどん民営化していき、取り敢えずの経済成長を考えているんだろうなと思った。小さな政府で規制を無くし、経済成長をするためには経済格差が助長してしまうことは仕方がないという、アメリカの共和党的政治体制なんだろうかと思った。


この前サマーソニック大阪に行って来たが、東京と違い殆どが野外ステージの大阪会場では、水をどう買うか、何処で買うか、コンビニ、自動販売機、割高の露店など人々が水に飢えた時どういう行動を取るのかが見れてそこには、その人の経済状況や考え方などが見えた。そういう状況を見るとこの映画の描いていた水不足の問題、ボトルウォーターによる環境サイクルの破壊の問題など他人事ではなく、私たちの行動がそれを助長させているのだなと考えさせられた。
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