はせ

ブルー・ゴールド 狙われた水の真実のはせのレビュー・感想・評価

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水をテーマに世界の歴史、環境、経済に深く切り込んだドキュメンタリー。実はいまの日本に非常にタイムリーな作品だ。

水道事業の民営化問題が一番気になった。「水は商品ではなく、人類の共有財産だ」という考え方には大賛成だ。生活インフラの中でも、とりわけ水道は民間経営になってしまってはいけない。利益を増大するためには、設備投資を減らしたり、水道料金を値上げするほかないからだ。設備投資を減らしているので管理状態も悪くなる。これに憤った市民たちによって民間の水道事業者は追い出され、水道事業の再公営化が世界的な主流となっている。

しかしながら、このドキュメンタリーの10年後の現在、水メジャーと呼ばれる巨大な民間水道事業会社が日本の自治体にも本格的に参入してくるかもしれない。松本智津夫死刑囚ほかの死刑執行という大ニュースの影で、こっそり水道法改正案が衆院を通過していたのだ。水道事業の民営化はヤバいなんてことは、少し調べれば僕でもわかる。なぜ政府は諸外国と同じ轍を踏もうとするのか。外資に水道事業を売り飛ばして私腹を肥やすつもりではないのかと言われている。再公営化の動きに逆行する合理的な理由は一切存在しない。