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歓びの毒牙(きば)のエーコのレビュー・感想・評価

歓びの毒牙(きば)(1969年製作の映画)
3.5
面白かった。偶然見てしまった連続殺人事件の光景に囚われる男の話。実際に、ガラス張りの戸に挟まれて囚われるし、旅券を警察に没収されてイタリアに囚われる。手のひらを真っ赤に染めて助けを求めるエヴァ・レンツィの顔は獣じみたもので確かに異様だ。どこか違和感の残る事件の光景は途中から映っていることも含めて『叫』で引用されている気がする。抽象的な空間で追いかけっこ。死体フェチ。覗き穴と目。そこにナイフを突っ込む猟奇的な性向。作中に出てくる絵画の扱いに奥行きがあって陳腐になっていない。
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