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上海から来た女のRのレビュー・感想・評価

上海から来た女(1947年製作の映画)
4.4
ものすごく久々に見てみたら、こんなに複雑な話やったっけ?ってなった。不幸な結婚生活を送ってる美女が、アイルランド移民の粗野な男(主人公)を色気で落として、家族の船仕事に誘い込む。そしたらそこには旦那の同僚もいて、そいつも奥さんに惚れてる様子、ほんで、そいつはその家庭に関わりたくないから、出て行きたいんやけど、仕事の関わりで出て行かれへんから、主人公を使って狂言殺人をする、それに対して主人公に大金を払うから、それで奥さんと駆け落ちしろみたいな話なんやけど、結構ありがちなサスペンスの雰囲気でありながら、めちゃめちゃ短期間内で複雑な話をスピーディに展開してるから、脳みそフル回転で見てないと話が頭に入って来ない。後半にいくに従ってだんだん話がこんがらがって、実際見てるとあんまりよく分からんくなってくるのだが、なぜか最後まで面白く観れてしまうものがあって、やはり全体的に濃密なノワールなムードに酔い痴れるってのがあるのかなと。あと映像がとても良い。特に水族館のシーンの禍々しさ。そして、あまりにも有名な、鏡のシーン。まさに映像の魔術と言わんばかりの眩惑的な効果を発揮して、作品全体のミステリアスさのピークを成している。あと、主演のオーソンウェルズが個性的で強烈な風貌の男で、リタヘイワースの端正な美貌と不思議な好対照をなして、色気を高めあってた。リタヘイワースは最後は美貌をかなぐり捨ててとんでもなくブサイクな顔を見せてるのに驚き。さすがの女優根性でしたわ。ただ、確かに美しくはあるけど、そんなに魅力的かな?とは思った。すんません。
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