夜

忘れられた人々の夜のレビュー・感想・評価

忘れられた人々(1950年製作の映画)
4.5
悪童というにはあまりに生易しいサイコ青年ハイボが感化院から戻ってきたことで狂わされる少年たちの悲劇。
貧困と犯罪の街に生まれ、文字の読み書きもできない親の元で生きていく術は暴力それだけ。時代や環境のしわ寄せはその国の子どもの目を見れば火を見るより明らか。良くないことって面白いくらいに続くもので無抵抗な子ども程どん底に転げ落ちるのも早い。
「お母さんどうしてあの時ぼくに肉をくれなかったの」夢のシーンは秀逸。親が自分を信じてくれないって一番悲しいし、大人や世界への諦念に繋がる。まっとうに生きようとしても必ず何かに足を掬われる。あんなに可愛がってた動物も殴り殺すほどのやり場のない怒り。
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