Yoko

サインのYokoのレビュー・感想・評価

サイン(2002年製作の映画)
3.8
 交通事故で妻を亡くした元牧師が営むトウモロコシ畑に忽然と現れた巨大なミステリーサークル。いたずらと思われたミステリーサークルは世界の各地に出現しており、果たしてこれらは何を意味しているのか、誰が作ったのかという謎を突きつけられる。

 中盤まではこの映画の趣旨がつかめず全く面白くないが、徐々にそれが明らかになっていく描き方は上手。
意味ありげなキャラ設定がただただ無駄になっている作品と思いきや、ここで落としどころをつけてくれたかという安堵感を与えてくれた。

 ただ、メル・ギブソン演じる元牧師のキャラの処理に相当力が入っていただけに、家族の処理があまりにも雑なところが目につく。また、表層のテーマであるミステリーあるいはSF部分も杜撰であるところが否めない。ここのディテールを詰めていけば傑作になっていたと思う。
オチ有りきを狙って敢えて詰めていなかったのであれば、化け物のような作品だ。

 一歩間違えると即座に駄作のレッテルが貼られると思う。一見するとボロボロで見るに堪えないが、中身の細工は意外と緻密に出来ているビックリ箱のような映画だった。初見の方はくれぐれもwikipedia等をご覧にならないことをオススメします。
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