“ミュージカルの映画”、Vol.4。
ミュージカル映画の金字塔。
『サウンドオブミュージック』。
実はちゃんと観たの初めて。
これはもうミュージカル映画の中の名作中の名作としか言いようがなかった。全てが素晴らしい。
まず、初めてなのにほとんどの歌が初めてではなかった。まずこれに驚く。
“〜Sound of music〜”、
“I am sixteen,growin on seventeen〜”、
その他の名曲の数々、ドレミの歌、エーデルワイスも。
あのJRの何年か前の「そうだ、京都へ行こう」、のCMの歌も、これだったか。
もう、今にも受け継がれてる歌の数々。
話も最初から最後まで「よくある話」と思ったけど、違う。そうじゃない。
この作品が「よくある話」にしたんだな。
そういう意味ではこの映画が、ミュージカル映画としての土台のすべてをやっちゃってる、といって良い。
既得権益や、規律、ルール。時代背景もあって、がんじがらめの子供たち、、、と父親。
マリアも、そんなことに無頓着に「山が呼んでいる」から抜け出してあちこち好きに歩き回る修道女でどうにも自由を得られない不自由さ。
この真逆の不自由さが合間見えて、少しずつ“自由”や“希望”など、子供も大人も少しでも幸せな生き方を選んでいく。
この冒頭の雄大な自然のカットから始まるオープニング、最高。
この自然のカットはもっと眺めていたいわ、と思ってしまう。
そこから、その「山が呼んでる」の丘のソロから始まるこの作品、いきなりいっきに引き込まれる。
そこから3時間弱、もうずっと世界観に惹かれる。
マリアも7人の子供たちも、身の回りのもの全て、ホント可愛らしい。
アンティークな感じもそうだけど、みんなのあどけなさ、垢抜けなさ、無垢でただただまっすぐに人生を謳歌したいその気持ちが清々しい。
あのカーテンで作った子供たちのお揃いの遊び着とか、めちゃくちゃ可愛いらしいじゃない。
可愛らしくてお茶目な物語の裏側に、しっかりとナチスドイツとオーストリアの世界的な軍事的な動きをチラつかせる。
これが余計に自由への渇望を駆り立てる。
子供たちだけでなく、大人も、マリアの魅力に刺激されて、マリアを信じる。
マリアもみんなを自分の子供のように可愛がる。
みんなが、権力や、規律、ルール、そして政治に対しても、マリアとの出会いをきっかけに、慎ましくも強く、誠実に生きる。
歌の力、で。
それが家の雰囲気を、家族を、身近な人の関係を、敬虔な修道院を、そして、民の思いを、国を変える。
たった1人の自由を願う女性が、手元にある幸せを信じて楽しく過ごせることを願った結果、すべてを覆すような力になった作品。
末っ子のグレーテルがホントに可愛い。
修道女的な設定もあり、『天使にラブソングを』もちょっと思い出す。
最後の修道女のお茶目もマリアの賜物、か。
これが『雨に唄えば』と双璧をなす現代のエンタメミュージカル映画の全ての原点かも知れない。