ほーりー

サウンド・オブ・ミュージックのほーりーのレビュー・感想・評価

4.2
私の知人で春日八郎やフランク永井の熱狂的なファンの人がいるのだが、その人ですら学生時代に観た「サウンド・オブ・ミュージック」の感動は忘れられないと言っていた。

やはり優れた音楽は国境・ジャンルを超えるのだ(笑)

どちらかと言うとストーリーや好きな曲の多さだと「メリー・ポピンズ」の方が上なのだが、これも60年代ミュージカル映画の中でも絶対に忘れてはいけない名作でしょう。

「ドレミの歌」「私のお気に入り」「エーデルワイス」と、これらの曲を知らない人間なんて果たしてこの世にいるんだろうか?(実際探せばいるんだろうけど)

「私のお気に入り」なんて今じゃ京都のテーマソング化しとるし。

マリア・フォン・トラップの自伝「トラップ・ファミリー合唱団」はドイツでも「菩提樹」のタイトルで映画化されていて、さらにそれをブロードウェイで舞台化したのがロジャース&ハマースタイン2世による「サウンド・オブ・ミュージック」である。

厳格な退役軍人トラップ大佐の家に家庭教師として働くことになった修道女見習いのマリア。

大佐の躾は厳しいものの子供たちは至ってやんちゃ盛りで、今までのカテキョさんは手を焼く始末だったが、マリアは逆に子供たちに寄り添うように接する……。

とまあ改めてここでストーリーを書く必要がないほど有名な作品なんだけど、ちなみに私はこのストーリーを知ったのが、幼い頃に観た世界名作劇場の「トラップ一家物語」でした。

改めて観ても、名場面は数多い。

「ドレミの歌」のあの溢れんばかりの高揚感は何なのだろう。毎度観るたびに思わず総毛立つような感じを受ける。

撮影に関しては、オープニングの壮大な空撮シーンの見事さは言うに及ばず、屋敷のバルコニーでのシーンも思わずため息でるほど美しい(マリアとトラップのシルエットが何ともはや)!!

オーストリア脱出前夜に「エーデルワイス」を歌うシーンもいいのだが、クリストファー・プラマーの声がどちらかというと少しくぐもった声なのが難のように感じた。

あと演技でいえば、男爵夫人を演じたベテランのエリナー・パーカーが巧かった。表立った態度ではないんだけど、トラップをマリアに盗られたくない心情がこちらにもヒシヒシと伝わってくる。

■映画 DATA==========================
監督:ロバート・ワイズ
脚本:アーネスト・レーマン
製作:ロバート・ワイズ/ソウル・チャップリン
音楽:リチャード・ロジャース/オスカー・ハマースタイン二世/アーウィン・コスタル
撮影:テッド・マッコード
公開:1965年3月2日(米)/1965年6月19日(日)
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