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赤い靴のchaooonのレビュー・感想・評価

赤い靴(1948年製作の映画)
4.0
赤い靴が魅せた踊りへの渇望と狂気🩰🩸

マシュー・ボーン版を観る前の予習として鑑賞✨
アンデルセン童話の『赤い靴」を基に、愛とキャリアの狭間で葛藤するバレエダンサーの悲劇を描いたバレエ映画🎬

敏腕プロデューサー、ボリス・レルモントフ率いるバレエ団に入団しした世界一のダンサーを目指すヴィクトリアと駆け出しの作曲家のジュリアン。
新作『赤い靴』の主演と作曲をそれぞれ大抜擢され、作品が大成功を収めると共に、2人の愛も育まれていく❣️
しかし偉大なダンサーに愛は足枷だと考え、反対するレルモントフの思惑が交錯し、2人の運命が狂い出す…🌀

ストーリーはよくある話というか、王道展開ではあるのだけど、このなんとも言えない喪失感と胸を貫く悲しみ。
彼女と一緒に叫び出したくなるような、衝動的な想いが込み上げてくる。

『赤い靴』の悲劇が、彼女の生き様にリンクするように、影を落とす。

映画中盤に『赤い靴』の舞台シーンもガッツリ15分程披露してくれるけど、これが実に美しい✨✨
魔法そのもののような映像マジック🩰✨
現実と心理が交錯するファンタジックな世界観✨✨
ただ舞台の映像を観せるだけじゃない、趣向が凝らされたダンスシーンが素晴らしい❤️

この素晴らしい15分があればこその、ラストのシーンとの対比が物悲しさを加速させる。

一度体験した栄光が、彼女の心を惹き込み、バレエシューズを脱ぐことをさせない。
その身が尽きるまで踊り続ける🩸

まぁただ男たちがもう少し寛容さを持ってやれば、こんな悲劇はなかったのでは…と思わずにはいられない🙄
彼女のこと追い詰めすぎ…。
女性にだけ、二者択一迫っているようで、ナンセンスだけど、この時代にはよくある話なのか…。

主人公ヴィクトリアと彼女を導くレルモントフのモデルとなったのは、20世紀稀代の天才ダンサー・ニジンスキーとバレエ・リュスの創始者ディアギレフと言われているとのこと。
ニジンスキーは名前くらいは知っていたけど、そんな事実があったことや、その最期は知る由もなく…ちょっとショック…だからこそ伝説なのかな…。

それにしてもアマプラの映像が荒いのが残念😂
これはデジタルリマスター版で見直したい!
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