第二次世界大戦開戦前夜のニューヨークはクイーンズ。そこに暮らすラジオ好きの少年ジョーの視点を中心に、古き良き時代を振り返ったノスタルジー映画。
まだテレビもない時代、ウディ・アレン本人がモデルと思しきジョー少年が、過去を振り返る形で、彼の家族や近所の人々の小話がまるで落語のように展開されていきます。映画でさえも簡単に行けない時代だっただろうから、きっとラジオは幼い頃のウディのクリエイティブ精神を養う一翼を担った重要な要素なのだろうな、と勝手に推察。オーソン・ウェルズの「火星人襲来」のエピソード然り、真珠湾攻撃の第一報然り、歴史的なニュースはラジオを通して人々の元に飛び込んできました。その一角を再現しているだけあって、当時を知らない私たちであってもつい心揺さぶられる郷愁感がありました。
基本的にはちょっとクスッと笑ってしまうような展開が数多く挟まるのですが、時に涙を誘うシーンもありつつ。
ウディ・アレン作品常連の豪華キャストが揃い、BGMも往年のビッグバンド・ジャズが流れる小粋な雰囲気。古き良きアメリカのカルチャーがお好きな方はツボなはず!
この時代のウディとミア・ファローのコンビネーション相変わらず最高!
ラストの屋上のシーンがなんとも言えない素敵な景色で個人的にツボでした。