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パッチ・アダムス トゥルー・ストーリーのYYamadaのレビュー・感想・評価

4.1
【実話に基づく傑作映画たち】
 ~事実は小説より奇なり

◆ベースとなった史実
〈笑顔で人々の心と体を癒す〉
 「臨床道化師」の始祖~ / 1973年
・場所: アメリカ/バージニア州
・人物: ハンター・アダムス(医師)

〈見処〉
①確かな感動を!実話を基にした
 傑作ヒューマンコメディ
・『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』は、1998年に製作されたヒューマンコメディ。
・舞台は1969年のアメリカ。自殺未遂を起こし、精神科に入院したパッチ・アダムス(ロビン・ウィリアムズ)は、冷淡な医師に失望するが、入院患者との交流を通じて、笑顔が人生の質を変えることに着目し、自主退院する。
・その2年後、ヴァージニア医科大へ進学したパッチ。学部長による医師としての正しい心構えに納得がいかず、上級生のインターンになりすまし、大学病院に潜入。病床の子ども達をあの手この手で笑わせるパッチは厳重注意を受けるが、病院のシステムに疑問を持ったパッチは、無料病院の構想を練り始め、仲間たちと共に山小屋にて無料診療所を開くことになったが…。

②どこまでが実話?
・本作で描かれるパッチ・アダムスは、現在も健在の実在の医師。
・ロビン・ウィリアムズ扮する本作のパッチは「中年」「成績優秀」と描かれていたが、実際には「青年時の出来事」「成績は並み」だったそうだが、それ以外は、モニカ・ポッター扮するカリンのエピソードを含め、ほぼ事実に沿ったストーリーであることをパッチ本人が認めている。
・しかしながら、当のパッチ本人は、自分の行動は病院建設に必要な資金確保が目的であり、本作のような楽しさを追及したものだけではないと語っている。黒沢明の
『赤ひげ』のような作品を期待していた本人にとっては少々納得のいかない出来映えだったようだ。

③結び…本作の見処は?
・作中のパッチ・アダムズ同様に万人から愛される、非常に良い映画。
・共に鬼籍に入ってしまったR.ウィリアムズもP.S.ホフマンも、本作同様に天国で愉快に過ごしてくれていることを願います。

○: ラストの公聴会のシーン、R.ウィリアムズの熱弁は非常に胸が熱くなり、元気を貰え、誰もがやるべき使命があるときに気付きを与えてくれる。
○: モニカ・ポッターがクールなヒロイン役を大変魅力的に演じている。本作以降、ブレイクに至らなかったのは残念だ。
▲: 多くの90年代作品と同じような壮大な劇中曲が「感動の押し売り」のように聞こえて興醒めする。もっと控え目な演出なれば、リアリティーも増し、もっと良い作品になった気がする。
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