一

レイチェルの結婚の一のレビュー・感想・評価

レイチェルの結婚(2008年製作の映画)
3.2
ジョナサン・デミ監督作品

そして脚本は、巨匠 シドニー・ルメット監督の娘さんであるジェニー・ルメットが務める

姉の結婚式のために家へ戻ってきた問題児の妹の姿を通し、平凡な家族の葛藤と絆を描く

ドランの『たかが世界の終わり』や是枝監督の『真実』を思い出すような内に秘めた家族の衝突

タイトルに付く「結婚」というハッピーなワードとはかけ離れて中身はかなりヘビーなお話ですが、鋭く切り込んだ視点からの紛れもない家族の愛が描かれている

ハンディカムを多用したドキュメンタリータッチで映し出され、そこまで尺を使う必要があるのかと思ってしまうくらいに、たっぷりと時間をかけるシーンも多く、主人公の不安定な心理状態を表すかのようにブレブレなカメラワーク

さまざまな苦悩を抱え深い悲しみを味わった家族が、薬物中毒者の治療施設を繰り返し出入りし距離を置かれている主人公のキムが戻ってきた事により激しくぶつかり合う

アカデミー賞主演女優賞にノミネートされただけのことはあり、不器用で重い過去を背負った難しい役柄を、アン・ハサウェイが痛ましくも見事に演じ切っているのが非常に印象深い
恐らく今まで観た彼女の出演作の中でもベストアクトかと

まるで数日間のホームビデオを2時間の映画に落とし込んだような作品で、苦しくて切ないけどほんのりと温かい家族の絆を感じられた
ただし観る人は選ぶ作品かな

〈 Rotten Tomatoes 🍅84% 🍿62% 〉
〈 IMDb 6.7 / Metascore 82 / Letterboxd 3.6 〉

2021 自宅鑑賞 No.144 U-NEXT
一