教え子と禁断の関係を持ってしまった女教師とその秘密を知った初老の女教師の愛憎溢れるいびつな関係を描いたサスペンスドラマ。
ケイト・ブランシェットとジュディ・デンチが共演する二人の女のドロドロの愛憎が描かれるスリリングなサスペンス映画。特にジュディ・デンチが演じる初老の女教師のインパクトが凄まじかった。物語の始まり自体は日本でやったらありふれた愛憎劇になってしまいそうなのだけれどジュディ・デンチのその恐ろしさでサスペンスフルな映画になっていた。ケイト・ブランシェット演じる新任の女教師と仲良くなったジュディ・デンチ演じる初老の女教師が教え子と関係を持つ新任の女教師を目撃してしまう。ここまではまだ普通。ここからの初老の女教師の考えることが恐ろしかった。この映画は初老の女教師の目線で描かれていて何度も語りが登場してどんなことを考えてるのかがわかるようになっている。その語りがしっかり怖い。でもどこか共感してしまう気もした。ここまでではないけど誰かを自分のものにしたい。だったり誰かの運命の人やたった一人の大切な人になりたいという気持ちは誰にでもあると思う。この初老の女教師はきっと長年の孤独から誰かのたった一人になりたいという気持ちが大きく強くなったのだと思う。そう考えると可哀想にもなってくる。ケイト・ブランシェットとジュディ・デンチが目立つ映画ではあるけれど新任の女教師の夫を演じたビル・ナイもめちゃくちゃよかった。個人的に好きな俳優だからというのもあるのだろうけれどいい演技だった。ビル・ナイとケイト・ブランシェットは20歳差で映画内でも年の差について話される場面もあった。ビル・ナイが本当に優しくていい夫を演じてるのもあって余計に新任の女教師の過ちが強調された。いい意味で後味がめちゃくちゃ悪い映画だった。