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孤高のメスのRyuのレビュー・感想・評価

孤高のメス(2010年製作の映画)
3.7
1989年。とある田舎町の市民病院にピッツバーグで学んだ経験もある外科医 当麻鉄彦が赴任してくる。この市民病院は保身やメンツが第一の医師たちがおり、腐敗していた。そんな中、患者を第一に考える当麻は、見事な処置で淡々と手術をこなしていく。そんな当麻の姿勢は他の医師から反感を買うことになる。

ビジネスジャンプにて連載されていた漫画「メスよ輝け!!」及び、小説「孤高のメス-外科医 当麻鉄彦」を原作とした作品。
患者のことなんか二の次三の次の病院に、凄腕の患者第一な医師がやってくる。この当麻鉄彦がまさに理想系のような医師でめちゃくちゃかっこよかったです。ホントに患者を助けたいと心から思っているのが伝わってきます。ちょっと鈍感なところとかもあったりして、医療のことばかり考えていて、子供みたいに純粋な心の持ち主なんだと感じました。周りの人間への気遣いもできて、感謝もちゃんと伝える。なんて出来た人間なんでしょう。ここまでの人間になるのは難しいでしょうが、素直に尊敬の念を抱きました。
そんな当麻を演じた堤真一や彼の片腕として従事するナースを演じた夏川結衣の演技がめちゃくちゃよかったです。
ストーリーの方は言うほど中身が濃いものとはなっていなかったと思いました。あくまでひとつのエピソードを描いたって感じがしました。でも、色んな人々の思いなど心にくるものがあって、ヒューマンドラマとして良いものになっていたとは思います。
手術シーンは、臓器などもけっこうリアルなものになっていて中々緊張感がありましたね。手術中に演歌を流す というのはそんなリアリティの中にあるスパイスって感じがして悪くなかったんじゃないかと思います。
原作はもっと濃い物語があるとは思いますが、今作は2時間で上手いことまとめていたのではないか思いました。
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