最初に言うが、本作は滅茶苦茶な内容であり、荒唐無稽でなんだいこりゃと眉をひそめる人がいても仕方ないと思う。
だけど、わたしはこの映画が大好きなのだ。いや、この映画をガキのときに観たから、わたしの頭がおかしくなったと言っても過言ではない。
「切手のキ、吉野のヨ、煙草のタに濁点がある」「新聞には全紙広告だ、キングコングがわが社の製品を抱えてにこりと笑う写真だ!」なんて全部そらでくだりを暗唱できるぐらいである。(全部、有島一郎の台詞ばかりだが)
ちなみに脚本の関沢新一は、あの「ダイナマイトが150屯」の作詞者。歌い手も聞き手も理解ができない意味不明な歌詞で世間に衝撃をすでに与えているので、本作を荒唐無稽と指摘しても無意味なのである。