地獄に堕ちた勇者どもの作品情報・感想・評価 - 4ページ目

「地獄に堕ちた勇者ども」に投稿された感想・評価

華麗なるエッシェンバッハ家の骨肉の権力争いや愛憎劇。ヴィスコンティ作品の中ではかなりエンターテインメント性に富んでいると思う。サービス映像てんこ盛りです。炎が燃え盛り打楽器が鳴り響く不吉な幕開けから震えが。国会議事堂焼き討ちの画だとその後わかる。

そしてなんといってもヴィスコンティの寵児、ヘルムート・バーガーの頭のネジの飛んだ、超越した美青年ぶりが見どころ!やっぱりこの人はどこか浮世から外れた、いかれた役を演じると素晴らしい。女装ありナチス党員の軍服姿あり。
ただ人物相関図が分かりづらく、顔と名前がなかなか一致しないのが辛い。私は解説を読んで再度観て、ようやく理解しました。

「あなたの罪がいちばん重い
この怒りはあなたには想像もできまい
破滅させてやる」
あぁ、怖い…この後の復讐が…
久々の鑑賞。
この画力の凄さ、主演の人々の演技力に圧倒され続け、この長さがあっという間に過ぎ去る。
役者、豪華過ぎ。

ああ、ヴィスコンティってこうだったんだ…
たけむ

たけむの感想・評価

4.0
他で見ない観点でのナチ映画だった。
勢力争いのドロドロ具合が面白いんだけどいかんせん顔を覚えるのが苦手なので顔を完全に把握した今もう一度見返したい
Scriabin

Scriabinの感想・評価

5.0
ヴィスコンティはホントに家族をいっぱい描いてる。どれも素晴らしいけどこれが一番好きです!内容はズバリそのものデカダンスだけど、重要なメッセージを含んでるし、なんといっても俳優たちが…ヘルムートバーガーにシャーロットランプリング!!見どころもどっさり。そして安定の映像美もう最高でした!
ウィキペディアの中で、本作品を「デカダンス的に描いている」というような表現がありましたが、まさにそう。製鉄会社の権力争い、それに絡んでくるナチス。
あらすじとしては、もうドロッドロですが、見せ方はまさにデカダンス的!!
実際の事件をなぞらえて作っても、それなりに面白い作品になると思いますが、ここにヴィスコンティは芸術性を巧みに詰め込んでます。こういう所が天才と呼ばれるなのでしょうか。
haruka

harukaの感想・評価

3.9
なにも調べずに観始め、はじめはいつの時代のなんの話なのか戸惑ったけど、徐々にそれが見えてくるのでどんどん引き込まれる。
狂乱の宴のあと、静かにやってくる彼らの姿に、「ああ、これはあの事件か!!」と思い至ったときの鳥肌。
母の言いなりで、クズだけど権力に興味のなかった青年が目をぎらつかせて保身と立場を求め、チェロを愛し、穏やかさを知っていた別の青年もかわった。大人たちもそれぞれ、みんな操られて、気がついたら地獄にいる。でも、時代的に、きっと本当の地獄はここから始まる。
第二次世界大戦前?
ヒトラー政権下のドイツの勢い増す中のイギリス??
大手製鉄所経営の貴族共の後継者争い???
実際はよく分かりませんが、
なんとも卑しい内容のドロ沼なんかを見せられて何が楽しいんでしょうか??

翻訳の分かりやすさ、適当さ、正確さ、小難しさにより、本来評価されるべき映画が評価されない現象ってのは必ずしもあると思います。
この映画も英語を聞く限りもっと適切な言葉があるはずなのに、貴族っていう背景を捉えた場合に小難しい感じや、知的な言い回しを使ったんでしょうか??

映画中も、肝心な部分だけ毎回語られてないで、先に登場人物や謎な関係性を見せられるのもあってヒジョーーーに小めんどくさいストレスの溜まる映画になってます。登場人物が多い割に顔の見分けも難しいし。後半の乱痴気騒ぎの長さも腹立ってくるし。
そもそもゲイっけの強い主人公らしき人物も一体何者かよく分かんないまま進行していきます。
カットから次のカットに行く時も似たような人物のカットで合わせたり、逆に人物は同じなのに全然違うカットになったり...
あと途中でイキナリ出てくる謎の黒髪の女の子、一体なんだアレ..


....ってかなりの混乱具合。

結局、最初の車で語られてた謎の関係性や女の子の素性は最後辺りにならないと分からないってとこまで「どんな映画やねん」と。
常に遠くから人物にフォーカスしてクローズアップしていく手法も後半笑いすら起きてきましたよ。えぇ。

なんつーか、
化粧した男が出てきてお母さんと何になったりとか、、
そういう腐女子的な要素もバツ。

んで、こんな拷問のような内容を2時間30分も見せられる辛さよ!!!!!!
とにかくキライな要素しかない!!!!


人によっては面白いと感じなくない映画だと思いますが、ストーリー含め頭の悪い僕には一生かかっても理解できない映画だと思います。

スミマセン。
分かりやすく説明出来る方いたらお願いシマス。



ちなみに「ベニスに死す」も嫌いな映画です。
螢

螢の感想・評価

3.5
1933年のドイツを舞台に、武器には欠かせない製鉄会社を経営していたエッセンベック男爵家の骨肉の争いと凋落を、ナチスの台頭と肥大化に巧みに絡めながら、退廃的かつ倒錯的に描いた作品です。

ヒトラー率いるナチスドイツが政権を獲得した1933年。
エッセンベック男爵家の老当主ヨアヒムは、一族と事業の存亡のため、ナチスとの表向きの協調を検討していました。
そのため、一族の男で反ナチスのヘルベルトを役職から解雇します。
しかし、亡き息子の嫁ソフィーの愛人であり野心家である、フリードリヒにそれを利用され、殺されてしまいます。
フリードリヒは、エッセンベック男爵家の乗っ取りを企み、ヨアヒムの唯一の孫でソフィーの息子でもある、マルティンをも利用しようとします。

フリードリヒの計画はうまくいったかに思えましたが、増長した彼は、彼と手を結んでいたナチスの将校アッシェンバッハを敵に回すことに。
アッシェンバッハは、ナチス体制の強化と資金獲得のため、今度は、フリードリヒを憎むマルティンを利用しようとします。
彼にとっては都合よく、意志薄弱ながら性的倒錯者であるマルティンは、ある事件を起こして…。

ヘルムート・バーガー演じるマルティンの、心を病み、暴走し、もがきながらもいつしかナチスに傾倒して都合よく利用されてゆく姿を見ていると、ナチスって、ある種の宗教的洗脳に近いものがあったのだろう、と空恐ろしくなります。

でも、そんな辛く暗い過程も、ヴィスコンティとヘルムート・バーガーのコンビだと、病的に妖しく美しいものにみえるのだから不思議です。
他の登場人物たちも、多くは欲望まみれで醜悪な人々ですが、美しい化粧や作り込まれた衣装、冷酷な目線や立ち振る舞いなどで、ヴィスコンティワールドを下支えしています。

物語の最後が、マルティンの破滅を確信させるものになっているのが、これまたヴィスコンティ趣味全開というか…。

見ていて辛い映画ですが、ヴィスコンティらしい破滅と倒錯の美学が、歴史的事象と巧みに絡み合ったよく出来た作品だと思います。
Hazuki

Hazukiの感想・評価

4.6
プロの職人かつ天才によるこれぞ本物の映画。
観たことないよこんなナチ映画。"当時の現状を知らない今の(1969)若者にナチズムを知ってもらいたい"
エネルギー消耗しきったこの放心状態どうしたらいい?
イタリア語は分からんけど、地獄に堕ちた勇者ども、も、The Damnedもタイトル良き。
とりあえずオープニング再生し直すよね。
あー凄い。
「長いナイフの夜」での酒池肉林の宴の尺がなんと長いことか。ヴィスコンティはこれが撮りたかったのね。